病気の原因になるものを病因といいますが、病因には外から侵入してくる「外因」と、体内でなんらかの異常が起きることによる「内因」のことは以前記しました。今回は冬に関する外因と内因をみていきます。
■外因から起きる症状~「寒邪(かんじゃ)」~
外因には、気候による「風邪」「暑邪」「火邪」「湿邪」「燥邪」「寒邪」があり、六淫と呼ばれています。冬の主な外因は「寒邪」です。寒邪とは、熱を奪って冷やし、体の組織や血管を収縮させるものです。寒邪が体に入り込むと、腎の働きが乱れるほかに、以下の症状が現れます。
●手足の冷え、水っぽい鼻水、寒気、発熱
体が冷えて組織や血管が収縮し、まるで寒い時に水が固まって氷になるように気・血・水(津液)のめぐりが滞ることで、手足が冷えたり、水っぽい鼻水が出たり、寒気を感じたりします。また毛穴が収縮して汗をかかなくなり、体の内側で発生した熱がこもって体温が上がることで、熱が出ます。
●頭痛、腹痛、関節痛、背中の痛み
体が冷えて組織や血管が収縮し、気・血・水(津液)のめぐりが滞ることで、様々な部分に痛みを感じます。これらの症状は、いわゆるかぜの諸症状。つまり、かぜをひいている人の体には、寒邪が入り込んでいるわけです。症状が発生している部分には、寒邪がとどまっています。
寒邪を追い出すための方法は、入浴が効果的です。ひどくならないうちに、体全体を温めて汗をかき、気・血・水(津液)のめぐりをよくすることができます。ただし、入浴をつらく感じる場合は無理をせずに、バケツにお湯を入れて足を浸す程度にしましょう。なお、熱が出ている場合は入浴は控えたほうがいいです。かえって体が疲れて症状が悪化する場合があります。
また、寒邪を追い出すためには、首筋や背中、そして痛みを感じる部分をドライヤーやカイロなどであたためる方法もあります。寒気が強い時は、体をあたためて汗を出す働きがある市販の葛根湯を服用しても効果があります。
■内因から起きる症状~原因は「恐」「驚」~
内因とは、体の内側でつくられて病気を引き起こすものを指します。「喜」「怒」「憂」「思」「悲」「恐」「驚」の七種類があり、「七情」と呼ばれています。七情は健康な人にも感じますが、これらの感情が過度であったり、長時間持続的に続く場合は正常ではなく、病気を引き起こすとされています。七情が正常な時は、体の気、血の流れもスムーズで、臓腑の機能もよくなります。しかし、七情が正常でないと気、血の流れが悪くなり、臓腑の働きが乱れます。内因は体の中から生じる刺激であって、臓腑を直接傷つけるわけです。
さて、冬に注意したい内因は「恐」と「驚」です。「恐」とは、事前に分かっているものに対して恐れる気持ちであり、こころが緊張した状態を指します。「驚」とは、思いもよらない事態に我を忘れて驚く気持ちであり、こころが極度に緊張した状態を指します。これらの内因がつくられると、気や血のめぐりが滞り、腎の働きが乱れて尿失禁などの症状が起こります。つまり、寒邪によって乱れた腎の働きをさらに乱すことになるわけです。
ふむふむ、なるほどぉ~♪(^_^)
いつもながらこの心庵のブログで勉強させていただいています。
想庵にも風寒の症状を訴えられるお客さんがいらっしゃるので、
このブログに書いてあることをお伝えしたいと思います。
いつも勉強になる情報をありがとうございます!
ブログの更新楽しみにしていますね(^^)v