No.56 脳の活性化(2)

脳を活性化するためには、脳が喜ぶことをするのがオススメです。

まず簡単にできるのが指先を動かすこと。そのときの脳を調べてみると、運動野運動前野が働いています。一方、楽器を演奏している時の脳を調べてみると、運動野、運動前野のほかに前頭連合野の右半球、左半球も活性化されています。また塗り絵をしていると、脳全体がバランスよく活性化することが分かっているそうです。今は大人や高齢者向けの塗り絵も発売されており、毎日30分程度楽しむのがオススメです。他にも、編み物や料理など、単純な動きから多様な動き、高度な動きなどいろいろな動きをすることで、脳の活性化は顕著になります。

また、音読も効果があります。声を出さずに読む黙読と、声を出して読む音読がありますが、音読のほうが脳の広範囲の領域が活性化することが分かっています。音読の場合、視覚で文字を脳にインプットし、声を出して言葉をアウトプットし、自分で発した言葉を聴覚を使って聞いていることになります。これは1度に3つのことを同時に行なっているということであり、脳の多くの部分を働かせていることになります。脳へ情報を取り入れる際に、使用する感覚器官がより多い方が刺激が強まり、脳を活性化させることができるわけです。

健康ブームのひとつ「ランニング」も脳にとって良い働きをすることがわかっています。走ると、海馬だけでなく、前頭前野の前頭極という部分の働きが良くなると報告されています。前頭極は、人間だけが発達している部分で、物を考えて作ったり、いくつかの問題を同時進行で処理する能力を司っている部分です。ランニングはちょっときついなあといわれる方は、うっすらと汗をかく程度のウォーキングから始めても効果がありますよ。いずれにしても、何事も続けることが大切です。 

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