No.63 一日にみる生体リズム(脳と胃腸)

s-寒椿3

<朝>

朝のボーッとした頭を切り替えているのは、脳幹にある脳幹網様体という部分です。そこは神経細胞と神経線維が入り混じり、大脳皮質への繁樹通路になって、意識の水準を保っています。脳幹網様体は光や音、味覚などの刺激に比較的に容易に反応するため、お茶コーヒーを飲むことでカフェインが脳幹網様体を刺激すると同時に、胃を刺激して大蠕動運動を促進して排便へとつながります。

また「噛む」ということでも脳幹網様体の働きが活発になるため、朝食はパンや米飯など固形物をしっかりと噛むことが大切です。

<昼>

お昼ご飯のときに休憩すことで、交感神経の緊張からも開放されるとされています。交感神経の緊張が続くと、胃腸の運動が下がって、食欲がなくなりますが、副交感神経が働くことで、腸の動きが活発になります。ゆえに、食べ物の消化力はお昼時が最も高いといわれています。

<夕方~夜>

夜は胃液の分泌が活発になる時間帯です。夕方の5時頃から深夜に活発になり、ピークは夜の11時頃といわれています。また腸の蠕動運動は朝食や昼食時より小さくなっていきます。

<深夜>

深夜眠っている間にも、腸は自立的に判断して、食べ物を消化・吸収し残ったものを自動的に肛門側へゆっくりと押し出しています。そのときの腸の運動にはモチリンというホルモンが関与しています。モチリンは夜間などの空腹時に周期的に放出され、消化管に強い空腹期収縮を引き起こすといわれているようです。また、同時に消化酵素や消化管ホルモンの分泌も刺激して、消化管をきれいに掃除し、次の食事の準備をしています。

夕食は眠る3時間前までに終らせるほうがよいといわれるのは、胃腸が空になるには約3時間かかり、胃腸が空になるとモチリンが分泌されて、夜間の腸の運動が一定に行なわれるようになるためです。また、このモチリンは自律神経によって左右されやすくストレスで分泌に変動がおきるとされています。

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