No.24 食後すぐの歯磨きは?

虫歯は食べ物に含まれる炭水化物(糖質)から作られた酸が歯を溶かすことによって生じます。流行のキシリトールガムの「キシリトール」とは、虫歯の原因となる酸を作り出さない甘味料の一種です。またフッ素入りの歯磨き粉の「フッ素」には、歯の質を強めたり酸を生み出すことを防ぐ働きがあります。

これらに伴って、変化したのが歯を磨く回数です。以前は朝と寝る前の1日2回が一般的でしたが、最近では1日3回、毎食後にしっかり磨く人が増えています。確かに、口中常在菌は食後に炭水化物(糖質)やタンパク質を利用して酸をつくるため、酸性度が上がって歯から大切なミネラル質が溶け出しやすくなります。ところが私たちの体は便利にできていて、食後そのままにしておいても唾液や口中常在菌が、溶け出したミネラルを元に戻してくれるのです。

さらに、おいしい食事をした充実感にのんびり浸っていると唾液の分泌が多くなるといわれています。このような理由から、食後すぐに歯を磨くと口中常在菌や唾液を利用した自然治癒力を損なってしまうことになります。歯の健康を考えて、食後30分程度は歯磨きをせずに過ごしましょう。食後に緑茶を飲んで過ごすとカテキンの働きでさらに口内の有害な菌を退治してくれますよ。

一方、口臭対策のほうですが、全て歯磨きでは解決することができません。食べかすが発する口臭の場合は歯磨きも効果的ですが、多くの場合は歯周病やドライマウスなどほかに原因があります。特にストレスによって起こるドライマウスは、唾液の働きがほとんどないことが原因となります。

また、健康な歯をつくるためには、しっかりと噛むことも大切です。咀嚼は私たちが考えている以上に重要な役割を果たしています。食べ物をしっかりと咀嚼しないと唾液が分泌されません。唾液が分泌されないまま飲食をすると、唾液の持つ消化酵素を利用できないため、胃の負担を招きます。また、唾液の抗菌作用や免疫力補助の作用を受けられないので、外からの雑菌や有害菌に対する抵抗力がつきません。

そして咀嚼は、歯の噛み合わせにも影響してきます。噛む習性が薄れると、噛みあわせが悪くなって歯並びが乱れやすくなり、歯並びが乱れると虫歯や歯周病、口内炎の原因にもなるのでしっかりと噛むことが大切です。また咀嚼力の低下によって「顎関節症」を引き起こすことがあります。「顎関節症」とは、あくびをするなど大きく口を開けたときに顎の間接が外れてしまったり、耳の付け根が痛んだり、カクカク音がするものをいいまが、これが頭痛や肩こり、めまいなどの原因になることもあるので注意しましょう。

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