No.45 運動と血管の老化の関係

人は老化とともに血管も老化していきます。血管が老化するということは、血管が硬く、厚く、狭くなることです。一般的に血管の老化とは、動脈の老化のことを指します。動脈硬化などの予防には、運動が大切といわれていますが、運動をおこなうと血管はどのようになるのでしょうか?

運動が血管をしなやかにする

運動を行うと全身の筋肉に酸素を供給することが必要になってきます。すると、十分に血液を送るために血管が広がります。その結果、血流がスムーズになり、血圧も下がってきます。

運動には有酸素運動無酸素運動の2種類がありますが、しなやかでかつ血流をよくさせるのは主に有酸素運動です。有酸素運動を行うと酸素が必要になります。それにより、体内では少ない血液量でより多くの酸素を運ぼうとして赤血球の数が増えます。同時に筋肉が活発になり、心臓の働きを助け血液の循環をスムーズにさせます。毛細血管に流れる血液の量が増えると、その刺激で毛細血管は枝分かれをし、新しい毛細血管となって発達していくわけです。

第2の心臓!!

動脈の血液の流れは心臓がポンプの役目をしており、体の隅々まで血液が送られます。しかし、静脈の血液の流れには心臓の働きは影響していません。静脈の血液は呼吸をするたびに心臓へと流れていきますが、重力に逆らう足から心臓への流れは足の筋肉がとても重要になります。

足の静脈についている「弁」が、血液を心臓に流すのを助けていますが、このときに足の筋肉がポンプの役割をしています。足を動かすことにより、筋肉が筋活動を行い、血管が収縮し、圧迫されて血液が心臓へと押し出されます。このため足が「第2の心臓」と言われる所以です。

ふくらはぎを鍛えましょう

下肢のポンプの役割を果たしているのが、腓腹筋・ヒラメ筋・前脛骨筋・後脛骨筋、つまりふくらはぎの筋肉です。ふくらはぎの筋肉が衰えると、血液がうまく心臓へ戻らない恐れがあるため、筋肉を鍛えることが大切になります。

というわけで、加齢に伴う血管の老化を防ぐためには、運動が効果的であり、特に有酸素運動を行うと血液を全身に送るため血管が広がり、毛細血管が発達します。しかし、1日や2日有酸素運動を行っただけではすぐに血管は元通りになってしまいます。大切なことは、やはり継続することなんですね。

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