「脳に忠実な筋肉」
指令に従って収縮し、多種多様な身体活動を生み出しているのが筋肉です。
私たちの体には、骨格筋、平滑筋、心筋と呼ばれる3種類の筋肉が存在していますが、このうち、運動神経とつながり、運動野の指令に従って収縮するのが骨格筋です。
骨格筋は、文字通り骨格に付着した状態で存在し、運動野の指令に従って収縮したり弛緩したりすることで、骨格を動かして身体活動を生み出したり、骨格と協力して姿勢を保ったりしています。
そのため「筋肉を使う」「筋肉モリモリの体」というように私たちが用いる筋肉という言葉は、多くの場合、骨格筋のことを指しています。また、骨格筋は、思い通り動かせることから随意筋とも呼ばれています。
それに対して、平滑筋と心筋には自律神経がつながり、意思にかかわらず常に体の状態を安定させるために働いていることから、不随意筋と呼ばれています。
平滑筋は、消化時の胃腸のうねうねとした蠕動運動や、血管の収縮と拡張をもたらし、内臓や血管などの壁を形づくる筋肉です。骨格筋よりも細くて短く、ゆっくりと持続的に収縮するという特徴があります。
心筋は、心臓の拍動をもたらし、心臓を形づくる筋肉であり、唯一、心臓に存在する最も丈夫な筋肉です。休むことなく律動的に収縮し、特に、全身に血液を送り出す左心室の心筋の厚さは、右心室の3倍もあります。