No.84 血圧の変動

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血圧は、健康な人でも一日のうちで常に変動しています。

正常な血圧の人では、朝起きたときの前後に血圧は徐々に上がり始め、活動量が多い日中に高い状態が続きます。

また活動量が減る夕方から夜にかけて血圧は徐々に下がっていき、睡眠中に最も低くなります。

こうした24時間を一区切りとした血圧の変動を「血圧日内変動」と呼んでいます。血圧は日内変動以外でも、起き上がる、食事、喫煙、排泄、運動、入浴など日常の生活や普段何気なく行っている動作、緊張や怒りなどの感情や精神状態に変化があったとき、環境による温度変化によっても変動します。

これらの血圧の変動は、主に自律神経が調節し、自律神経には、交感神経と副交感神経があり、活動中は交感神経が活発になって心臓の動きが高められ、血圧は上がります。

逆に、休息中は副交感神経が活発になって心臓の動きが抑えられ、血圧は下がります。活動によって、血圧が一時的に高くなって、しばらくすると下がり、正常な血圧の値に戻るといった血圧の調整ができるのは、交感神経と副交感神経のバランスが取れているからです。

しかし、こうした自然な血圧変動とは別に、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高く、心臓や血管に大きな負担がかかった状態が「高血圧症」という病気です。つまり、高血圧が「血圧が高くなる症状」ならば、高血圧症とは「高血圧の状態が続く病気」を指します。

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