No.93 肝臓の働き「解毒」「胆汁産生」

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肝臓は体にとって有毒な物質を分解して、無毒なものに変えてくれます。

例えば、アルコールの適度な摂取は爽快感を感じたり、ストレス発散にもなりますが、過剰にとり過ぎると、不快症状を引き起こし、更には意識障害から昏睡に至る場合もあります。

アルコールは肝臓の肝細胞でアルコール脱水酵素の働きにより、まずはアセトアルデヒドに分解され、更にアルデヒド脱水酵素の働きによって酢酸に分解され、無毒化されます。

しかし、酵素がきちんと働かないと分解が不完全となり、頭痛や吐き気などの不快症状を引き起こします。

たとえば、個人差はありますが、日本酒1~2合、ビール1~2本を超える量を飲むと、吐き気などが起こる場合があります。アルデヒド脱水酵素を遺伝的に欠損している人は少し飲んだだけでアセトアルデヒドが体内に蓄積するので、すぐに顔が赤くなったり、不快症状を引き起こすので飲酒できません。

そのため、アルデヒド脱水酵素を欠損している人は、アルコール性肝障害にはなりません。

また、私たちが魚や肉などからたんぱく質を取ると、腸内の悪玉菌によって分解され、有害なアンモニアが発生します。アンモニアが体内に増えると、脳に悪影響を及ぼし、意識障害が出たり、ひどい場合には昏睡状態に陥ってしまうことも。

肝臓では、このアンモニアをすばやく解毒し、無毒な尿素に変えられ、尿として排泄されます。

 

さて、脂質の消化に重要な役割をもつ胆汁は、肝臓で古い赤血球を材料としてつくられています。

胆汁には胆汁酸、胆汁色素、コレステロールなどが含まれています。胆汁は、脂肪の消化吸収に重要な乳化作用、酸の中和作用、老廃物の排出作用などの機能を持っています。

膵液と違って、消化酵素を含みませんが、膵液に含まれるアミラーゼやリパーゼなどの消化酵素の働きを高めます。

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