No.94 肝臓にやさしい生活

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肝臓に負担のかかる生活をしていると、肝機能の悪化や、病気の進行につながります。まずは、生活習慣の見直しが大切です。

■食事

代謝の中枢部である肝臓は、食べすぎ飲みすぎで大きな負担を強いられます。自分に合ったエネルギー量を守り、栄養バランスの取れた食事を心がけることが何よりも重要です。特に脂肪肝の人は、食生活の改善が治療の第一歩です。

・適正摂取エネルギー量を守る

・たんぱく質を取り過ぎない

「適正たんぱく質摂取量の求め方」

適正体重(kg)×1.1~1.2g=適正たんぱく質量(g)

・脂肪分を控えめにする

総摂取エネルギーの20%以内に抑えましょう。

・C型肝炎の人は鉄分を1日6mg以下にする

健康な男性の場合、1日10mg、健康な女性の場合は1日12mgの鉄分を取るとよいと言われています。しかしC型肝炎の人は鉄分が肝臓に蓄積されやすくなるため、摂取制限が必要です。

・食物繊維を取る

便秘によって腸内に有害物質が発生するため、解毒作用を持つ肝臓に負担がかかってしまうので、便秘予防に食物繊維を豊富に含む野菜類や海藻類を積極的に取ります。

■アルコール

原則は禁酒です。特にB型肝炎、C型肝炎の人では、飲酒は悪化因子となります。お酒に強いからといって、肝臓が強いわけではなく、むしろ飲める人は深酒するので、肝臓を傷めやすくします。脂肪肝の人もアルコールは飲んではいけません。

■運動

絶対安静は昔の考え方です。最近では肝機能レベルに合わせた運動が必要となっています。

・1日30分のウォーキング

症状が安定しているときは、積極的に歩くようにします。リズミカルな早歩きをすると脂肪燃焼効果がアップします。

ただし、体調が悪いときは、無理は禁物です。

・疲れがたまらない運動をする

筋肉が疲労すると発生する疲労物質は、肝臓で代謝されます。そのため、長時間の激しい運動や労働は肝臓に負担をかけることになります。軽いヨガやストレッチなどがいいかと思われます。

■日常生活

・睡眠

睡眠不足には注意が必要です。1日7時間の睡眠はとりたいものです。細胞を修復する成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、睡眠不足は肝細胞を修復する時間を減らすことになります。

また、夜型生活は体内リズムを乱すので要注意です。横になるだけでも肝臓の血液量が増加し、肝臓を休ませることができます。

・入浴

肝臓に負担をかけないのは、ぬるめの半身浴です。熱すぎる湯や長風呂は、疲労につながります。

・風邪

慢性肝炎や肝硬変の人が風邪をひくと、肝機能が低下することがあります。風邪の疑いがあったら、無理をしないで治るまで安静が必要です。市販のかぜ薬で思わぬ相互作用が起きることもあるので、事前に主治医などに確認をとることも大切です。

・ストレス

過度のストレスは心身に悪影響を及ぼします。自分の好きなことを見つけ、リラックスできる時間をつくりましょう。

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