No.95 直立歩行を支える体のしくみ

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人間は2本の足で体を支え、動かなければならないため、脊柱や骨盤などの胴体部分の骨格とそれらを取り巻く筋肉の微妙なバランスで姿勢を維持しています。

体の芯のような役割を持っているのが、いわゆる背骨と呼ばれている脊柱です。

脊柱は椎骨という小さい骨が積み木のように連結されていて、脊柱全体としてしなるように動き、体を曲げたり、反らしたり、ねじったりすることができます。

その椎骨と椎骨の間に椎間板と呼ばれるクッションの役割を持った軟骨組織があり、椎間板があるため上半身を前後左右に曲げることができます。

また椎間板は、歩行の際に起こる上下運動の衝撃を吸収し、脳へのダメージを和らげる働きも担っています。

脊柱は横から見るとゆるやかなS字状のカーブを描いているのが自然な姿です。人間は、直立して一番上に重い頭があるため、脊柱の湾曲によってその重さを分散しているのです。

椎骨や椎間板は、中が空洞になっていて、この中に脳からの指令を体に伝える中枢神経(脊髄)が通っています。正しい姿勢で脊柱を保護することが、健康維持のためにも大切です。

また、上半身と下半身を結び、正しい姿勢を保つために重要なのが骨盤です。

骨盤は、背骨から続いている仙骨と、内臓を包むように広がっている2つの寛骨(かんこつ)からなる骨格で、底のない鉢状の形をしています。骨盤の内側には直腸や膀胱、卵巣や子宮などがすっぽりと収まっており、これらの臓器を守る役割があります。

女性の骨盤は、出産をスムーズにするため柔軟にできていて、動きやすいのが特徴です。そのため、男性よりもゆがみやすい構造だといえます。

さらに、胴体部分の骨格と周辺を取り巻く筋肉は体幹筋と呼ばれ、体を安定させるための軸となったり、動きの中で重心となる役割を持っています。体幹筋は、正しい姿勢を保つことはもちろん、立つ、座る、歩くといった日ごろの動作にも大きくかかわっています。

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