① ゆっくりとよく噛む
極端に固い物や、大きな物をそのまま飲み込むことは避けましょう。消化液がより働きやすいように、よく噛んでゆっくり食べると消化・吸収がよくなります。
イカ、たこ、竹の子、ごぼうなど、固い物や繊維の多い物は、特によく噛んで、食べすぎにも注意しましょう。また、細かく切る、すりつぶす、やわらかく煮る、蒸すなどの調理法で胃の負担を減らせます。
②腹八分目を守る
苦しくなるほどたくさん食べると、胃に大きな負担をかけます。「腹八分目」という言葉がありますが、実際に人の胃は、腹八分目のときに最も消化活動が活発で、それより多いと消化活動が衰え、余分な酸を分泌させて胸やけを起こしたり、粘膜を刺激して吐き気を起こしたりします。
また寝る直前に食べるのも胃に負担をかけます。睡眠中も、胃や他の器官が働かなくてはいけないため、胃液の分泌が狂い、体のリズムが乱れます。
③規則正しく1日3食
また、避けねばならないことは、胃を空っぽにしておくことです。
人の体は、食事を抜いたり、食事と食事の間が長くあいても、時間がくると自然に胃酸が分泌されます。空っぽの胃に胃酸が分泌されれば、胃そのものが消化されてしまいます。
これは潰瘍の原因になるだけでなく、すでに潰瘍がある場合は、悪化させることにもなります。
胃が空になる状態をできるだけ避けるために、食事は規則正しく取るようにしましょう。
④刺激の少ない食べ物を選ぶ
胃粘膜を刺激する濃い味付けや、香辛料、炭酸飲料、コーヒーなどの刺激物は控えましょう。熱すぎたり、冷たすぎたりするのも、胃に負担がかかってしまいます。
濃い味付けを控えるには、昆布やかつお節、干ししいたけや、野菜などでしっかりとっただし汁を活用するといいでしょう。
⑤胃に長くとどまる食べ物は避ける
すべての食べ物は、胃の中にとどまる時間が異なります。胃に長くとどまればそれだけ胃の負担も大きくなるので、時間が短くすむものを取るようにしましょう。
とどまる時間が長い(3時間以上)食べ物には、バター、かまぼこ、焼き魚、ビーフステーキなどがあります。
⑥食品の組み合わせを考える
胃粘膜の抵抗力を高めるには、消化がよく、しかも栄養価に富んだ食べ物を取ることが大切です。
肉や魚などの動物性タンパク質は、傷ついた粘膜を再生する栄養素になると同時に、胃酸を中和する働きもあります。また吸収されたタンパク質を効率よく利用するためには、炭水化物やビタミンも欠かせません。特に胃壁を修復するビタミンAとC、胃粘膜を活性化させるビタミンU(キャベジン)は積極的に取りましょう。