日本の伝統的な漬物には、素晴らしいパワーが秘められています。特に京都の伝統的な漬物「すぐき」の中にいる「ラブレ乳酸菌」は、乳酸菌の中でも、免疫力を高める効果が実証された数少ない存在です。
この日本生まれの乳酸菌「ラブレ菌」は、健康志向の強いアメリカでも「マジックピクルス(魔法の漬物)」として紹介されています。例えば、漬物の場合、乳酸菌や酵母菌が発酵を進め、風味や旨みが増します。漬物が古くなると酸っぱくなるのはこの乳酸菌の働きによるものです。漬物の塩分は、野菜の腐敗を抑え、有効な乳酸菌を増やしてくれる働きがあります。さらに野菜から余分な水分が出るため、生の野菜よりも多くの食物繊維を取ることができます。その食物繊維が乳酸菌のエサとなって腸内の乳酸菌を増やし、悪玉菌の退治に役立つともいわれています。
また、ぬか漬けの場合、ぬかには1g中に1億個以上の乳酸菌が住んでいます。ほかに、ビタミンB1やミネラルも豊富に含まれ、それを野菜が吸収するため、生の野菜を食べるよりも、栄養素がたくさん取れます。このように漬物は日本の発酵文化が育んできたプロバイオティクスといえます。日常生活の中で積極的に取り入れたいですね。
※プロバイオティクス
「宿主(人間)の腸内細菌叢(腸内細菌が草むらのように集まって生息している様子)のバランスを改善することにより、宿主に有益な作用をもたらす生きた微生物」のことをいいます。例えば、乳酸菌やビフィズス菌などがそれにあたります。