No.18 朝食を食べると、生活習慣病になりにくい?

朝は忙しくて時間がないし、食欲もないので、朝食を抜いてしまうという人も少なくありません。しかし、朝食は1日のエネルギー源としてとても大切です。ほかにも寝ている間に低下していた体温や血糖値を上昇させて、体や脳の働きを活性化させる働きがあります。

睡眠中でも脳のエネルギーは消費されていて、朝食を食べなければ脳はエネルギー不足になるので集中力も低下し、体力も低下します。また朝食を食べることで、消化管の働きが活発になり排便を促したり、食べ物を口に運び、噛んだり飲み込んだりといった食行為により感覚神経が刺激されて、体全体を目覚めさせます。

朝食の欠食など、食育に関するものは子供に対して問題視されることが多いですが、朝食を抜いているのは以外に成人にも多く、特に20~30歳代の男性においては約3人に1人が欠食している報告もあるようです。朝食を抜くのを続けていると、今は特に体に症状が出ていなくてもいずれは肥満につながる恐れがあります。肥満は、動脈硬化や心不全、脳卒中などと密接な関係があるといわれ、糖尿病や高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病を合併しやすく、動脈硬化の危険因子がかさなるため、心筋梗塞や脳梗塞を併発する割合も高くなります。特に内臓脂肪型肥満は、高血糖や高血圧を引き起こすといわれていますので注意が必要です。

さて、朝食を抜くのが続くとなぜ肥満になりやすいのでしょうか。私たちの体は1日3回の食事から必要な栄養素を取っています。しかし朝食を取らないと、残りの昼食と夕食の2回の食事で1日の必要なエネルギーを摂取しなければなりません。そのため、一度に食べる食事の量が多くなってしまいます。そうなると必要以上に血糖値が上がり、血液中に過剰になったブドウ糖は、使われることなく、脂肪となって体内に蓄積されることで肥満につながります。また、ビタミン、ミネラルはもともと不足しやすい成分でもあるため、1日2回の食生活が続くと、慢性的に不足する恐れがあります。ビタミンやミネラルは体の調節機能に役立つだけでなく、炭水化物、タンパク質、脂質の代謝を助けるものとしても重要な成分です。これらの代謝がうまくいかなければ肥満になりやすくなります。このように肥満はさまざまな生活習慣病と関連しています。それらを予防するためにもなるべく規則正しく朝食を取りたいものですね。

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