むくみは、体内に余分な水(津液)があふれている状態です。体の中の水(津液)の代謝が悪くなって起こります。日本の夏は高温多湿で水(津液)が滞りやすい環境のため、むくみを生じやすくなります。これには、水分の摂り方に注意して、体を冷さないことが大切です。さて、むくみにはいくつかのタイプに分けられます。夏に多くなるのが、胸がムカムカして全身がむくむタイプと、お腹が冷えて下半身が、むくむタイプです。
■ムカムカするタイプ
特徴 水分の摂り過ぎ、全身がだるい、頭が重い、尿が少ない
病気のしくみ 水分を摂り過ぎて、水(津液)の代謝が追いつかない
胸がムカムカして、頭が重く全身がだるいのは、水分の摂り過ぎによるむくみです。水分の摂り過ぎで、体内に余分な水(津液)が停滞し、それが脾や胃の機能を低下させて、さらにむくみを引き起こします。下半身がむくみ、ひどくなると、全身がむくみます。尿の色が薄く、量が少ないのも特徴のひとつです。まずは、水分の摂り過ぎを控えることが第一です。また、体を積極的に動かして、水(津液)のめぐりを良くすることも効果的です。
食養生のワンポイント
脾の働きを高めて、体内の水(津液)のめぐりをよくする食材を摂りましょう。ゴーヤー(苦瓜)、冬瓜、とうもろこし、はと麦などがおすすめです。コーン茶やはと麦茶などのお茶にして飲んでも効果的です。
■お腹が冷えるタイプ
特徴 もともと胃腸が弱い、下半身がむくむ、手足が冷える、押すとへこんで戻らない、疲れやすい
病気のしくみ 脾・胃が弱く、水(津液)を代謝しきれない
もともと脾・胃が丈夫でない人は、水(津液)を代謝する機能が弱く、むくみを起こしやすい傾向ああります。冷たいものを摂ると、すぐに下痢をしてしまうタイプで、疲れやすく、尿の量が少ないのが特徴です。お腹や手足の冷えがあり、肌がプヨプヨして押すとへこんでなかなかもとにもどりません。消化の良いものを食べて、脾胃の機能を回復させ、全身を温めて脾の陽気を補いましょう。また、マッサージなどで、水(津液)の循環をはかるのも効果があります。
食養生のワンポイント
もち米、そら豆、えんどう豆などが、脾の陽気を補い、水(津液)のめぐりをよくする作用のある食材です。また、中国のフルーツの竜眼の果実はむくみに効果的であるといわれています。