No.35 気功 腹式呼吸のすすめ

気功とは、中国古来の自己鍛錬法で呼吸法と体操によって体内の気血の循環をよくし、病気予防、健康維持を図るものをいいます。そのため、気功には、呼吸が深く関係しており、呼吸器を強くすることが大切です。

■老化は呼吸に現れる

長い階段を上ると息が切れて、体の衰えを感じたことはありませんか?呼吸器は性機能の次に老化が現れやすい臓腑といわれています。加齢による筋力の低下によって肺活量が落ち、呼吸は浅くなります。すると新鮮な空気を体に取り込めなくなると同時に、老廃物が排出されにくくなって体内に蓄積します。そのため、気の流れや血の巡りが悪くなって、老化が進行してしまいます。

■ストレスを緩和する

ストレスの多い毎日は、気の流れや血の巡りを停滞させて、イライラや情緒不安定などを引き起こし、心身の老化をさらに進めてしまいます。ゆったりとした深い呼吸は、体に新鮮な空気を取り入れてエネルギーを巡らせると同時に、自律神経に優しく働きかけて気分をリラックスさせるので、精神面への効果もあります。呼吸でストレス緩和を図ってみるのもとてもいいことです。

「胸式呼吸」と「腹式呼吸」

呼吸には大きく分けて胸式呼吸と腹式呼吸があります。胸式呼吸は、肋骨を広げたり閉じたりするもので普段我々が無意識に行っている生理的な呼吸です。もう一方の腹式呼吸は、お腹を出したり引っ込めたりすることで横隔膜を上下させる呼吸法です。この腹式呼吸を意識的に取り入れることによって、新鮮な空気を体に取り込むことができ、年齢や性別に関係なく、誰でも手軽に体だけでなく心までも強くし、老化を防ぐことができます。

■腹式呼吸のやり方

腹式呼吸の方法はとてもシンプルです。まず、鼻から息を吸い、口を軽く開け、息をゆっくりと送り出します。また息を吸う時はお腹を膨らませて、吐く時にはお腹をへこませることを意識します。朝の時間帯や木の多い公園など新鮮な空気に満ち溢れている所などでおこなうと、より効果が得られるようです。服装も体を締め付けるものではなく、ゆったりとした楽な服装にすることで、こころも体もリラックスすることができますよ。

<立って行う場合のポイント>

●まっすぐ遠くを見る

目を自然に開いて正面前方を見ます。何かを凝視するとリラックスできないので、目の力を抜きましょう。

●背筋を伸ばす

注意としては反らしすぎないようにします。肩の力を抜いて胸を開き、気道にまっすぐ空気が入ることをイメージします。

●お腹に手を当てる

両手を組んで、おへその少し下に当てます。その際、息を吸ったときに、お腹が膨らむのを確認します。

●足は肩幅に開く

足は肩幅くらいに開き、つま先を広げすぎずに自然にたちます。

 

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